書籍制作の仕組みと流れを知ろう【広報・PRのための、シンプルな本と企画のつくり方】第5回

書籍制作の役割分担と流れ

広報・PRのための、シンプルな本と企画のつくり方

この連載では、good.book(グーテンブック)という出版サービスでこれまで100冊ほどの書籍企画・編集・発行を手掛けてきた著者が、お手伝いさせていただいた企画やプロジェクトの経験から「シンプルな本づくりのポイント」を解説します。本づくりだけをしてきた著者ではないからこそ言える、「単なる本づくりではなく、事業や活動を広げる目的をベースにした出版プロジェクト」についてお伝えします。

 

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本づくりにおける役割分担(登場人物)

今回は、実際に本づくりを始めるときに考えるべき「役割分担(登場人物)」と「本づくりの流れ」についてご紹介します。1冊の本が発売されるまでには、どのような役割の人が関わり、どのような工程で作られているのかを簡単に見ていきましょう。

本づくりには、原稿を書く著者以外にも、この後挙げるように様々な役割の人が関わっています。ちなみに、ここに書いてある役割分担は主に弊社の出版システムの場合です。出版方法や企画によって登場人物は変わる場合があります。
例えば広報・PRを目的としたプロジェクトの場合、著者としての原稿執筆の部分もプロのライターにお願いすることがあります。この場合は、著者には企画と原稿の元ネタとしてのインタビューに対応いただいたうえで、原稿制作の多くをライターや編集者で進めることになります。もちろん、企業や広報メンバーの方々ご自身で執筆いただくこともあります。

 

本づくりの登場人物

 

①著者

本づくりで一番重要な登場人物は、著者です。伝えるべき情報やメッセージ、すなわち大元となるコンテンツを持っている著者がいないと、本は生まれません。著者は、本づくりの出発点となる原稿を書きます。

 

②編集者
著者と一緒に企画を考え、その企画を実現させるためには誰にどんな仕事を依頼すればいいのか、制作の段取りを決め、完成までをディレクションします。原稿やデザインを確認し、宣伝用コピーのアイデアや販売戦略を考え、人(出版社)によっては予算の管理も行います。

 

③ライター
書くことに慣れていない著者が原稿を書こうとすると、膨大な時間がかかってしまったり、書き進めることができなかったりする場合があります。著者の持っている「伝えるべき情報」をライターが取材して引き出し、原稿として書き上げることがあります。ライターが編集者を兼務する場合もあります。

 

④デザイナー
表紙やカバーの装丁をデザインします。必要に応じて、文中に挿入するイラストや図版(図や表)を制作してもらう場合もあります。弊社の出版サービスでは自動化しており、あまりお願いすることはありませんが、文章自体のレイアウトを作成(組版)してもらうこともあります。

 

⑤校正校閲者
書かれた原稿の内容が正しいかを確認して、その誤りや不適切な表現を指摘するチェックのプロです。一般的に「校正」は文字や表記の誤りをチェックすることを指し、原稿の内容(文章表現や事実関係)にまで踏み込んだチェックを「校閲」と呼びます。

 

⑥出版社、取次
本を読者の手元に届けます。出版社は書籍を完成し、責任を持って「発行」します。出版社が直接書店や読者に販売する方法(直取引)もありますが、より多くの書店で販売するために「取次」(取次店とも呼ばれる)という、書籍の流通をしてくれる会社に協力を依頼することもあります。

 

⑦書店(Web書店・リアル書店)
書店にはアマゾンなどのWeb書店と、街にある本屋さん(リアル書店)があります。

 

書籍制作の大まかな流れ

いろいろな役割の人が登場するということは、その分の工程があるということです。本づくりをするにあたって、最初に、著者自身でやること(できること)と、誰かに依頼してやってもらうことを整理する必要があります。

 

①企画づくり(目次を決める)
大筋の企画・コンセプトやテーマが決まった後、本に盛り込みたい要素を洗い出し、全体構成(章立てや目次)を決めていきます。目次を決めると本の全体ボリュームも想定しやすくなります。

 

②作り方を決める
本づくりにおける費用や販売方法は、出版方法によってかなり異なります。もちろん、すべての工程を著者自身でできる場合は出版社を利用せずに本を作ることもできます。企画段階で「これは大きな販売部数が見込める企画だ」と出版社が判断すれば、費用のすべてを出版社側で負担することもあります。印税率や発行部数の考え方も、出版社あるいは個々の契約によって異なってきますので、予算に見合った出版方法と出版社を選ぶことが大切です。
方法が決まったら、著者がやること(できること)を出版社と調整し、費用を見積もります。本づくりにおいて、本の作り方を決める工程は一つ目の山になります。これらの調整ができれば、完成までの道筋が見えてきます。

 

③原稿執筆
作り方が決まった後は、原稿を書いていきます。ただし、書くことに慣れていない著者が急に原稿を書こうとすると、なかなか書き進められないこともあります。せっかく本づくりを企画して作り方を決めたにもかかわらず、ここで挫折してしまうと非常に残念ですね。著者には、原稿を書くことへの「覚悟」が求められます。
原稿が書けたら2つ目の山をクリアしたことになります。完成まではもう一歩です。

 

④挿入図版・表の作成(必要に応じて)
著者が用意するか、出版社が用意するかは②の工程で調整します。

 

⑤編集
③④を終えた段階で、編集者がプロの目線、客観的視点で原稿を確認します。必要に応じて、編集者またはライターが原稿を修正する場合もあります。編集者や著者本人が読み直すことで、最初は気づかなかった読みにくさや構成の悪さが気になることがあり、書き直しに時間がかかることも多いです。③の原稿執筆と並んで本づくりの肝となる工程なので、編集にかなりの時間と手間を要する場合もあります。

 

本づくりの流れ

 

⑥組版
原稿や図版を書籍用にレイアウト(並べて配置)し、書籍として印刷できるデータの形に加工します。電子書籍も作る場合は、それぞれの閲覧デバイスに対応したデータを作成します。

 

⑦タイトル・書誌情報・価格設定などを決める
書誌情報の作成・登録や価格設定は最後でも問題ないですが、前もってタイトル案を考えておくとスムーズにタイトルを決めることができます。

 

⑧表紙デザイン制作
デザイナーに表紙のイメージや書籍情報を伝えて作成を依頼します。でき上がったサンプルのデザインや色が書籍のイメージにあっているか、文字の大きさやフォントのバランスがおかしくないかを確認します。また、帯を作る場合は帯のデザインも用意します。

 

⑨校正/校閲・チェック・修正
原稿や書籍データに間違いや不備がないかをチェックします。必要に応じて、複数回にわたって行うことが多いです。

 

⑩書籍の完成
ここまでで、ようやく書籍の中身(ソフト)が完成します。ただし、これで終わりではありません。印刷準備のための印刷会社とのやり取りや、販売店(書店)との手続き・調整などにも時間がかかります。

 

⑪印刷・流通処理
印刷会社に印刷用のデータを入稿し、見本をチェック(色校正)した後、印刷・製本を行います。通常、入稿から納品まで2~3週間かかります。
一般流通させる場合は販売店(書店)に書籍の内容を伝えます。Web書店で電子書籍を販売する場合も、各書店のルールにそって、販売用のデータやデータベースの登録を行います(販売するための情報は、事前に各社に伝えて調整しておく必要があります)。紙の書籍をリアル書店で販売する場合は、取次を通すか直接書店に書籍を納品します。
ちなみに弊社の出版サービスでは、「注文が入ってから1部ずつ印刷して届けるオンデマンド流通(プリントオンデマンド)」を利用しているため、事前に多くの部数を印刷することはありません。

 

⑫書籍発売
書店(Web書店やリアル書店)に本が並びます。

 

出版社によって細部に違いはありますが、ここまでが大まかな本づくりの流れです。
これらの工程の中で、どこまでを著者自身がやるのか(できるのか)を考えます。例えば、セルフパブリッシング(アマゾンの電子書籍出版サービスKDPなどを使って、出版社を経ずに自分ですべてを行い、私費で出版すること)では、①~⑨をほぼ著者が自分で行います。逆に、ほぼすべての制作工程を出版社に任せることも可能です。
弊社では、「著者ができること」に応じて、お手伝いさせていただく範囲を変えています。①~⑫まですべて弊社でお手伝いさせていただく場合もあれば、著者主体で本づくりを進める場合は「①・②・③・⑤は著者にお任せする」という場合もある、ということです。

 

今回は、本づくりの役割分担と流れについてお伝えしました。次回は編集者の役割とスケジュールについてご説明します。

 

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