編集者の役割と本づくりのスケジュール【広報・PRのための、シンプルな本と企画のつくり方】第6回

本づくりにおける編集者の役割とスケジュールの目安

広報・PRのための、シンプルな本と企画のつくり方

この連載では、good.book(グーテンブック)という出版サービスでこれまで100冊ほどの書籍企画・編集・発行を手掛けてきた著者が、お手伝いさせていただいた企画やプロジェクトの経験から「シンプルな本づくりのポイント」を解説します。本づくりだけをしてきた著者ではないからこそ言える、「単なる本づくりではなく、事業や活動を広げる目的をベースにした出版プロジェクト」についてお伝えします。

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本づくりのプロ「編集者」の役割と責任

本づくりにおいて、第三者の目線を持った「編集者」の役割はとても重要です。著者はどうしても「自分が書きたいこと」に夢中になりがちで、それがどこまで伝わるか・求められるかの判断は、書いている自分自身では難しくなってしまいます。

連載第3回で、企画をブラッシュアップするために第三者に話して壁打ちをすることをお伝えしましたが、企画づくりに伴走してくれる編集者は最も大切な壁打ち相手です。企画だけではなく、目次を作ったら話し合い、原稿を書いたら最初の読者として客観的にチェックしてもらい、書籍タイトルを共に考える、など常に編集者と相談しながら進めましょう。

もちろん編集者は著者にとってよいことばかりはいいません。編集者による原稿の赤入れに対応するなど、面倒なことも多いのですが、やはり最終的に読者に渡す本をよいものにするには(伝えたかったことを届けるためには)、伴走する第三者としての編集者の役割は大きいと思います。
今や著者自身が一人で出版できる仕組みはたくさん出てきていますが、書籍コンテンツを使ったコミュニケーションのクオリティを上げていくためには、本づくりのプロとしての経験とスキルを持った編集者が必要です。

 

編集者の役割と責任については(書籍編集ではなくマンガ編集に関する内容ですが)次の記事が参考になると思いますので、ご紹介させてください。
『ドラゴンボール』『Dr.スランプ』の編集者としてヒット作を出し、その後も『週刊少年ジャンプ』立て直しのために編集長として戻ったDr.マシリトこと鳥嶋和彦さんのインタビュー記事です。

 

「そのマンガ家が持っている良さを、どれだけ早く編集が理解し、マンガ家本人に悟らせるか」

   マンガ家と組んでマンガを企画・構成していくうえで一番大切なことは何でしょう?
鳥嶋氏 「そのマンガ家が持っている良さを、どれだけ早く編集が理解し、マンガ家本人に悟らせるか」ですね。僕はよくいいますが、マンガ家って「描きたいもの」を描きますよね。それって、実はそれまで見たいろいろなもののコピーなんですよ。本人が「描けるもの」とは違うもの。そうしていろいろ読み切りを描いて読者の反応を見ると、たいがい「描きたいもの」はウケないんです。そこで「描きたいもの」を潰していって、その作家にしか描けないものが作家の中に見つかったとき、ちゃんとそれを読者に提示すると伝わるんですね。それが「描けるもの」。それはマンガ家の原点であり、僕は「オリジン」と呼んでいます。自分のオリジンを描ける作家がヒット作家になる。そういう意味で、マンガ家は、最後は人間性なんだと思います。

 

引用:「編集者になるために特別な才能は必要ない。好奇心と想像力を持ってください」Dr.マシリト 鳥嶋和彦氏が学生に語ったマンガ、雑誌、出版と編集者の今後(「電ファミニコゲーマー」より)

 

鳥嶋氏の言葉は、ジャンルを問わず、編集という仕事が持つ役割と、その重要性を教えてくれます。

 

企画から発売までの「スケジュール」を作る

本を出版しようと企画してから書店に並ぶまでに、どれくらいの時間が必要だと思いますか? もちろん、出版社によっても、どのような本を作るのかによっても異なりますが、著者が原稿を2ヵ月くらいで書けたとしても、早くて5ヵ月~半年、よくある一般的な制作期間だと半年から1年ほどかかるといわれています。
企画の段階で話題になっているコトやモノをテーマに執筆し始めたとしても、書籍化が1年後だったとしたら……。ブームは終わっているかもしれませんし、同じような内容の競合本が溢れているかもしれません。
本の出版を企画するときは、スケジュール感も含めて検討すると、苦労して作って発行したうえで「あれ? 思ったほど売れないな」といった悲しい結果となる確率を多少なりとも抑えることができるでしょう。

 

一般的な書籍制作のスケジュール例

ここでは例として、弊社出版サービスで書籍化を進める場合のスケジュールをご紹介します。原稿は著者に執筆いただき、編集者が客観的な視点で書籍をよりブラッシュアップする、という一般的な書籍制作の進め方を見てみましょう。
著者の原稿執筆のスピードによって変わりますが、最短で5ヵ月程度で原稿作成から書籍発行まで進めることができます。

 

本づくりのスケジュール

 

目次整理・原稿執筆【2~3ヵ月】

著者によって様々ですが、執筆にかかる期間は1冊分で2~3ヵ月が標準的です。ただし、ゼロから執筆を始めるのではなく、Webなどで公開している記事やブログを活用して原稿化する場合は、数週間で原稿が完成する場合もあります。原稿執筆に合わせて、挿入する図や表、イラスト、写真の作成・手配も行います。
プロのライターが執筆する場合は、著者に取材をしたり、執筆テーマについて調べたりします。取材の日程が著しく遅れたりしなければ、1~1・5ヵ月程度でインタビューは終えることができるでしょう。

 

原稿の編集・校正・チェック【1ヵ月】

「どうすれば読者に面白く読んでもらえるか」「どういう本であれば読みやすく、手に取りやすいか」といった目線で編集者が編集作業をしたうえで、誤字脱字や日本語として誤った表現がないか等の校正・チェックを行います。原稿の文章量にもよりますが、通常1ヵ月程度はかかります。

 

書籍データ化・最終確認【1ヵ月】

原稿が完成したところで、出版社が原稿を書籍用にデータ化します。データを確認する作業を含めて1ヵ月程度かかります。この段階で表紙デザインも作成します。タイトルや書誌情報、価格など販売時に必要な情報も、遅くとも書籍データの完成までには決定する必要があります。

 

流通処理・印刷【2週間】

印刷会社にデータの入稿を行ったり、販売用データベースの登録をしたりします。書籍のデータが完成してから書店で購入できる状態になるまで、弊社の場合も最低2週間程度はかかります。

原稿が完成したらすぐに発売できるはず、と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、原稿完成後にも様々な工程があり、発売日を簡単に前倒しすることはできません。
さあ、今から本を作ろう! と思って急いで始めても、完成は早くても半年後、しっかりした本を丁寧に作ろうとすると、1年後になってしまう場合もあります。発売日にこだわりがある方は、企画段階で制作期間をしっかり考慮し、どのような作り方をするかを選ぶことも大切です。

 

今回は、編集者の役割とスケジュールについてご紹介しました。次回は、肝心の原稿の作り方についてご説明します。

 

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