押さえておくべき「販売・発行」の基礎知識【広報・PRのための、シンプルな本と企画のつくり方】第11回

書誌情報を登録し、書店に本を並べる

広報・PRのための、シンプルな本と企画のつくり方

この連載では、good.book(グーテンブック)という出版サービスでこれまで100冊ほどの書籍企画・編集・発行を手掛けてきた著者が、お手伝いさせていただいた企画やプロジェクトの経験から「シンプルな本づくりのポイント」を解説します。本づくりだけをしてきた著者ではないからこそ言える、「単なる本づくりではなく、事業や活動を広げる目的をベースにした出版プロジェクト」についてお伝えします。

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出版に向け「書誌情報」を登録する

今回は、完成した書籍を発行(一般販売等)するにあたって必要なことを説明します。
書誌情報とは何か

書誌情報とは、本を特定するために必要な情報のことをいいます。タイトルで本を特定できる場合もありますが、世の中には同じタイトルの本が存在することもありますし、同じ本でも,初版、第2版など版が異なればページ数が違う場合もあります。タイトルだけで本を特定することはできません。

書誌情報には、タイトル、著者名、編者名、訳者名、版表示、出版者、出版年、ページ数、価格、サイズ、ISBN、など、本の基本的な情報が含まれます。これらの情報は、本の奥付(一番最後のページ)に記載されています。

次の画像は、本書の奥付です。上から、タイトル、発行日、版、著者、発行人、発行会社の情報、著作権者、最後にISBNが記載されています。

 

 

Web書店で販売する際の情報掲載のコツ

特にWeb書店で販売する際は、書誌とは別に書籍を紹介するための情報の掲載が重要となります。Web書店では、読者の目に入りやすい場所に実際に本を置いておくということができないので、Web上の本の説明文や目次、著者紹介などの情報が、読者の読む・読まない(買う・買わない)の判断に直結します。

企画主旨や内容紹介、著者紹介、コンテンツキャッチフレーズ、読者対象など、誰に向けたどのような本なのかをしっかり記載して、本を読むメリットを読者に伝えることが、リアル書店で流通させるとき以上に重要となります。

各Web書店で本を分類する際に使われる「ジャンルコード」や「検索キーワード」の登録も必須となります。検索キーワードは、本の内容を正確に表し、利用者が検索に使いそうな言葉を反映したキーワードを設定する必要があります。
どのようなキーワードが本の購入につながるかを考えてみましょう。例えば、本連載を本にした場合に設定するキーワードとしては次のようなものが考えられます。
「広報」「PR」「新規事業」「広告」「ソーシャル」「社会起業」「SDGs」「販促」「ブランディング」……
本連載の目的は、こういったテーマについて悩んだり考えたりしている方に「広報・PRとしての出版」について知っていただきたいというものなので、それらに関連してくるワードを設定することになります。この連載を、個人の本を作ること・文章を書くことが好きな方に向けて企画していた場合はまったく異なるキーワードになっていたと思います。届けたい想定読者が求めている情報は何か、どんなキーワードで本を探すかを読者目線で想像し、キーワードを検討します。

 

リアル書店で紙の本を売る場合

書誌情報を登録した後は、読者に買ってもらえるよう、書店に本を並べる必要があります。
リアル書店に並べる場合は、本を置いてもらえるよう(できれば目立つ場所に)出版社や流通業者が新しく発行される本を書店に売り込みます。しかし、日々膨大な数の本が発売されているので、ただ「新しい本ができました」といってPRしても、なかなか書店の本棚には並びません。本のニーズを説明し、その本が売れるということを強くアピールする必要があります。流通や書店の担当の方に「この本なら売れる!」と思ってもらえて初めて、書店に本が並ぶのです。

書店に本を並べることができたとしても、すべての本が売れるわけではありません。出版社から書店への書籍の流通・販売方法には大きく「買い取り」と「委託販売」の2種類があります。日本では書店のリスクを軽減して書店にいろいろな本(需要が少ないニッチな本を含めて)を並べる目的もあり、多くの契約が委託販売となっています。
委託販売は、書店が本を買い取っているわけではないので、売れ残った本は出版社に返品されてしまいます。話は少し逸れますが、書籍の返品率は約3割(東洋経済オンライン 2018年12月の記事より)と高く、年々増えているといわれており、問題になっています。

 

Web書店で紙の本・電子書籍を売る場合

紙の本をリアル書店に並べる必要があるのと同様に、Web書店で販売する際にも、それぞれのWeb書店に書籍を提供する必要があります。Web書店ごとの流通方法にしたがって、必要な部数を倉庫に納品するといったことを行います。
電子書籍をWeb書店で販売する場合には、モノとしての書籍を送る必要はありません。電子書籍リーダーに対応した電子書籍データを提供することで、販売することができます。

なお、紙の本・電子書籍のどちらをWeb書店で販売するとしても、直接Web書店に送るのではなく、多くの出版社は流通(取次)会社を経由して販売しています。Web書店といってもかなりの数があり、出版社が個別に対応することが難しかったり、個別での納品に対応していなかったりするWeb書店も多くあるためです。

 

Web書店上で読者と本が出会うにはいくつかの経路があります。ある情報を求める読者がキーワードで検索してヒットする本、これまで読んだ本の傾向からストア上でレコメンドされる本、キャンペーン掲載されている本などです。この出会いの経路上でそれぞれ販売につなげられるよう、検索にヒットさせるための適切な検索ワードを登録したり、Web書店と調整してキャンペーン企画を行ったりします。
Web書店は本棚が無限にあるため、目立つ場所に表示してもらうことは難しいですが、キャンペーンページなど、できるだけ読者の目に留まるようなページに本を置いてもらう(表示してもらう)ための営業は必要です。

 

Web書店で紙の本を無在庫で売る(プリントオンデマンド)

ここで弊社でも行っている、ちょっと特殊なWeb書店流通についてご紹介します。
通常、書店(リアル書店・Web書店)で紙の本を販売する場合には、前もって書店や倉庫に送っておく必要があります。そのためには書籍を事前にある程度まとまった部数で印刷・製造する必要があります。用意する部数は出版社や企画によっても違いがありますが、少なくても2000~3000部、多いと5000部~くらいの在庫を用意して流通を始めることが多いようです。
多くの部数をまとめて印刷することで製造原価(単価)を抑えることができるのですが、やはり印刷・製本のための費用はそれなりにかかりますし、在庫を管理する倉庫も必要となり、都度書店に発送するための作業も必要です。

これと別に、紙書籍のWeb書店流通方法として「プリントオンデマンド」(POD)という方式があります。これは「読者からの注文をWeb書店で受け付けてから、1部だけ印刷・製本して届ける」というもので、本の印刷・製本は、Web書店側で行います。この方式で販売している本をアマゾンで購入すると、アマゾン内で1部だけ印刷・製本して、早ければ注文の翌日には手元に届きます。
このプリントオンデマンドは、出版社にとっては大きな在庫を抱えずにフットワーク軽く出版を実現することができるため、この方式を取り入れている出版社が増えています。
この流通方法の場合、Web書店には本の実物を納品する必要はなく、印刷のための書籍データをWeb書店に登録することで、販売を開始することができます。

 

今回は、書誌情報と販売についてご紹介しました。次回は、本づくりにかかる費用と契約についてご説明します。

 

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