私たちが考える”いい会社” ー B Corp認証制度から見える新しい会社のあり方

私たちが考える"いい会社"

いい会社の1つの基準となるB Corp認証についてご紹介いたします。

“I spotted a B Corp Logo”作者: m.gifford is licensed under CC BY-NC 2.0 

 

このマークを見たことはあるでしょうか。

これは、”いい会社”を認定するB Corp認証のマークです。

 

“いい会社”

どのような会社をいい会社と呼ぶのでしょうか。その答えは、人それぞれだと言えます。年功序列でなく、能力によって配給を受けられる会社がいい会社だと考える人もいれば、ワークライフバランスを大切にしていて、プライベートと仕事の両立が叶うところがいい会社だという考えを持つ人もいるでしょう。

 

私たちは今、”いい会社”を発信する事業を進めています。その一環として、いい会社の1つの基準となるB Corp認証について調べてきました。本記事を通して、これからの社会に求められる新しい会社のあり方を考えていきたいと思います。

ここでは、B Corpの概要と、日本での広がりについてご紹介いたします。

 

B Corpとは?

B Corp認証は、さまざまに解釈される”いい会社”の1つの基準です。ではどのような基準でしょうか。公式サイトには、以下のようなことが書かれています。

 

Certified B Corporations are businesses that meet the highest standards of verified social and environmental performance, public transparency, and legal accountability to balance profit and purpose. B Corps are accelerating a global culture shift to redefine success in business and build a more inclusive and sustainable economy.

ー B Corp認定企業とは、利益の追求と目的の達成の両輪を目指し、社会的・環境的なパフォーマンス、透明性、法的な説明責任についての最高基準を満たしている企業です。

 

(中略)

 

The B Corp community works toward reduced inequality, lower levels of poverty, a healthier environment, stronger communities, and the creation of more high quality jobs with dignity and purpose.

ー B Corpは、不平等の解消、貧困の削減、環境の改善、コミュニティの強化、尊厳と目的を持った質の高い雇用の創出を目指しています。         

               

B Lab: Certified B Corporation より引用

B Corpの“B”が意味するのは、”Benefit”です。「利益」という訳が一般的ですが、ここでは「公益」と解釈します。要するに、B Corp認証は、自らの営利だけでなく、社会全体への益に配慮し事業活動を行う企業に送られるのです。

 

近年、SDGsやサステナブルといった言葉を聞く機会が増え、環境や社会に配慮した暮らしを営むことが一般にも広く浸透するようになりました。環境や社会に配慮した認定の中で、野菜のオーガニック認証、コーヒーやチョコレートのフェアトレード認証はご存知の方が多いのではないでしょうか。B Corp認証は、これらに似ていると言えますが、商品ではなく、企業自体を認定しているのです。

 

企業は、B Corp認証を受けることで、消費者や投資家、就職活動をする人などを含めた多くのステークホルダーから理念に基づく活動に対する評価を受けやすくなります。またそれだけでなく、認証に必要な試験(B Impact Assessment)を定期的に受けることで、現在の事業活動のあり方や改善すべき課題について客観的に把握することができるのです。

 

B Impact Assessment についてはこちら

 

もっと知りたい B Corp

B Corpは、2006年、米国ペンシルバニア州の非営利団体B Labが「ビジネスにおける『成功』を再定義する」ことを目標に立ち上げました。認証制度が始まってから約15年、認定を受けた企業は世界で77カ国4,000社以上に広がっています。

 

日本で有名なB Corp認定企業の中には、アウトドア・アパレル大手のPatagonia(パタゴニア)、アイスクリームのBen & Jerry’s(ベン&ジェリーズ、オーガニックの美容化粧品を取り扱うAesop(イソップ)などがあります。

 

日本では、2016年に初めて、シルクウェーブ産業(群馬県桐生市)、石井造園(横浜市)の2社がB Corp認証を取得しました。そして今年の6月、ecoringというリサイクルショップを展開する企業が新たに認証を受け、現時点でのB Corp認定企業は7社になりました。アジア全体として見ると、認証企業の数はここ数年で大きく増えています。しかし日本での認知度は、依然として低いままです。認証のために受けなければならないアセスメントに日本語訳がないことや、取引企業の社会性まで求められるといった難しさもあり、なかなか浸透しないのかもしれません。

 

今注目を集めるB Corp

日本での知名度が低いB Corpですが、実は、その認証制度を日本で推進するための取り組みや、B Corp認証の獲得に向けて準備を進める会社もあります。

 

古本の買取や販売のほか、無書店地域に向けた移動式本屋などの社会事業も行うバリューブックスさんは、B Corp認証を日本に広めるための取り組みを進めています。B Corp認証を受けるための入門書として世界的に有名なのが、『The B Corp Handbook』です。バリューブックスさんは、本書の日本語翻訳権を取得し、B Corp認証にもっと多くの企業が挑戦できるような環境をつくられています。

 

パンの販売のほか、環境や社会に配慮した食べ物、日用品を販売しているわざわざさんは、実際にB Corp認証の獲得に向けて奮闘されています。わざわざさんが運営するnoteには、B Corp認証の取得を目指した背景や認証試験(B Impact Assessment)を受けての考えなどが細やかに綴られています。

 

おわりに

ここまで、B Corpの概要や実際の取り組みを進める企業の方をご紹介してきました。ここ数年で、社会や環境に配慮した生活を営む意識が多くの人に芽生えています。会社でも同様に、ライフスタイルの変化に直面しても働き続けられるような環境づくりや、使用する材料にこだわりずっと使い続けられるような商品の生産などが求められ始めています。

B Corpを運営するB Labは、“いい会社”を認定すること自体をゴールとしているのではなく、企業活動の変革を促し、サステナブルな社会をつくることを目指しています。そしてB Corpは、所属する会社が社会にどのような影響を与えているのか、客観的に把握する手段ともなります。日本でもB Corp認証やこれに似た取り組みが今後さらに広がっていくことと思います。

 

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