すべては「企画」で決まる本づくり【広報・PRのための、シンプルな本と企画のつくり方】第2回

本づくりのポイント1 出版の「目的」を明確にする

広報・PRのための、シンプルな本と企画のつくり方

この連載では、good.book(グーテンブック)という出版サービスでこれまで100冊ほどの書籍企画・編集・発行を手掛けてきた著者が、お手伝いさせていただいた企画やプロジェクトの経験から「シンプルな本づくりのポイント」を解説します。本づくりだけをしてきた著者ではないからこそ言える、「単なる本づくりではなく、事業や活動を広げる目的をベースにした出版プロジェクト」についてお伝えします。

 

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伝えたいことをしっかり届けるための「3つのポイント」

弊社ではこの7年間、ビジネス書や専門書、絵本にいたるまで幅広いジャンルの本づくりをお手伝いさせていただきました。その中でも、後から振り返ってうまくいった、よかったと思える出版案件は、最初の企画段階で「本づくりの方向を決めるための3つのポイント」を押さえることができていたように思います。その3つのポイントとは次のようなものです。

 

 1 出版の「目的」を明確にする
   何のために本を作るのか? この出版プロジェクトのゴールはどこか?

 

 2 本の「コンセプト」を明確にする
   この企画(テーマ)の何がユニークで、何を伝えるべきなのか?

 

 3 読み手の「ニーズ(欲求)」を考える
   この本の読者となる人はどんな人で、何を求めている人なのか?

 

どのようなプロジェクトでも、そのプロジェクトの方向性を決定づける「企画」が非常に重要ですが、出版の場合は特に企画の良し悪しで、いい本がつくれるか否かがほぼ決まってしまいます。そして、ここでお伝えしたい「いい本」とは、文章や内容、デザインなどが優れた本といった意味ではなく、著者となる方が出版を通して伝えたかったことをしっかり届けることができる本を意味しています。
まずは、最も大切なポイント「出版の『目的』を明確にする」について考えてみましょう。

 

「万人に向けた企画」は「誰にも受け入れられない企画」になりがち

本づくりにおいて、必ず押さえておくべきポイントの一つ目は「何のために本を作るのか」という、出版の目的を明確にすることです。これは、まず著者自身の心の中で、しっかりと整理しておく必要があります。そのうえでその気持ちを出版社側に率直に伝え、著者と出版社(特に編集者)が共通の認識を持って出版プロジェクトを進めていくことが大切だと思っています。ここで共通認識を持てないと、制作途中に本の方向性を見失って迷走してまったり、本を出した後にモヤモヤ感が残り、出版社にとっても著者にとっても「結局、何のための出版だったの?」などということになってしまいます。

「本を出したい」という方にお話をお伺いすると、その目的として「世の中のより多くの人に、〇〇〇〇のことを伝えたいんです」とおっしゃる方がいらっしゃいます。
もちろん、私たち出版社としても、せっかく発行する書籍は少しでも多くの人に読んでいただけるのが、もちろん嬉しいです。ですが、往々にして「万人に向けた企画」は、「誰にも受け入れられない企画」となってしまうことがあります。
満足のいく本づくりを進めるためには、より具体的に誰が求めているテーマ・内容なのか、どういう人に届けたいのか(読んでもらえるのか・喜んでもらえるのか)を考えることが大切です。

本の企画が頭の中に浮かぶと、多くの著者はその瞬間、「この本を読んだ人は、誰もが喜んでくれるはずだ!」という気になってしまいます。私自身、後になってみると大したことのない企画でも、なぜか考えている途中には、考えていることや企画を過剰に面白く感じてしまうことがあります。自分のアイデアを過大評価して、「これはいい!」と熱くなってしまうのです(皆さんにもありませんか?)。
そこで一度立ち止まって、ちょっと冷静に「具体的に誰に対して、何を、どのような目的で提供したいのか(できるのか)」、という出版の目的をしっかり確認し、その目的に対応した本の内容や流通方法を考える必要があります。これは著者だけでなく、私たち出版社・編集者も常に心に留めておくべきことです。

 

印税収益から知名度の向上まで「出版の目的」は様々

出版の目的は著者や企画によって様々ですが、これまで弊社でお手伝いした出版企画の「目的」をいくつか挙げてみましょう。

 

 ・作った本を販売して印税を得たい
 ・作った本を会員やセミナー受講生などの限られたコミュニティに届けたい
 ・ごく限られた知り合いに渡すための本を作りたい
 ・特定ジャンルやテーマでの(著者の)知名度を高めたい
 ・専門性が高い情報なので、広く売るというよりも、求める人がその情報を入手できるようにしておきたい

 

このように出版といってもその目的は様々であり、目的が一つではないことも多々あります。
例えば、「会社のPRツールとして、本というカタチにして広く販売したい」かつ「会社のセミナーや説明会で、パンフレット代わりに配りたい」といったご相談をいただくことがあります。この場合は「広報と営業支援の2つが本づくりの目的」ということになります。ただし、あまり欲張って目的をたくさん設定してしまうと、本当に達成したかった目的が何だったのかが分からなくなってしまうこともあるので、注意が必要です。

 

 

何をもって成功とするか? ゴールを明確に

もし出版の目的が「作った本を販売して印税を得たい(本をたくさん売りたい)」であれば、企画段階で、ある程度の市場ニーズ(売上)が確実に見込めるテーマ設定(企画の切り口)にする必要があります。検討中の企画テーマやキーワードのWeb上での検索数や、類書(同じテーマの本)の販売状況を調べたうえで、「これなら確実に売れるはず」という企画を考えるべきです。あわせて「類書が多すぎないか」といったライバルの分析も必要です。このテーマ設定と類書については後ほど詳しくお伝えします。

逆に「限られたコミュニティに濃度の高い情報を届けたい」を目的とした場合には、中途半端な一般受けを考える必要はないでしょう。この場合は、そのコミュニティのことだけを考えて、専門性の高い情報に特化・集約した内容にすべきです。また、一般公開したくない情報も書籍に含める場合は、あえて一般販売せず限定的なチャネルでのみ販売・提供するという選択もアリです。

 「そもそも、一般向けに広く売る必要はあるのか?」
 「広く売りたい場合の〝広く〟とは何人くらいか?(1000人? 10万人?)」
 「コミュニティに届ける場合は、具体的に1年間で何人に届けたいのか?」
など、それぞれの目的や目標を数字のイメージを含めて(仮でもよいので)考えることで、より具体的に、本づくりを通して何を達成したいのかが見えてきます。

これらの目的・目標が明確に絞り込まれていると、出版社も編集者もとても動きやすくなります。「何をもってこの出版プロジェクトが〝成功〟といえるのか?」という明確なゴールを先に決めてから始めないと、意外と大変な本づくりとその後の販売の過程の中で、大切にすべきことや優先順位が分からなくなってしまうことがあるからです。
あれもこれもと目的を数多く設定したり、「少しでもたくさん売って、より多くの読者に届けたい」と目的を漠然としたものにしてしまったりすると、著者にとっても出版社にとっても、無駄なコストや時間をかけてしまうことになりがちです。

本当に著者が出版に求めること、ゴールが具体的・明確に定義されていれば、それを実現するために必要な(適正な)「作り方」と「流通方法」を考えることができ、目的達成に向けた「最大限の労力」をかけることができるのではないでしょうか。

 

今回は、本づくりのポイント「出版の『目的』を明確にする」についてご説明しました。次回は、2つ目のポイント「本の『コンセプト』を明確にする」についてお伝えします。

 

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