集中力の限界は30分!動画形式の講座はセクション割がおすすめ【オンライン講座のPOINT】

オンライン講座の作り方 

定着しやすい講座の構成方法

コロナ感染拡大の影響もあり、教育研修のオンライン化が進んでいます。

講義動画を活用したeラーニングをお手伝いさせていただいた経験から、動画型オンライン講座を作る際のポイントや注意点をご紹介します。


視聴覚学習の定着率は20%

 

ラーニング・ピラミッドをご存じでしょうか。

 

ラーニング・ピラミッドとは、学習方法と定着率を示したもので、アメリカの国立訓練研究所(National Training Laboratories, Bethel, Maine)により開発されました。

これによると、「講義」の定着率は5%、「視聴覚」の定着率は20%、より定着率が高いとされる学習方法は「自ら体験する(定着率75%)」、「他人に教える(定着率90%)」とされています。

 

動画型オンライン講座は「視聴覚(定着率20%)」学習に分類されます。

Zoomなどでセミナーを受講されたことがある方は「集中力が続かない」、「受講していたのに頭に残っていない」というようなご経験があるかもしれません。

 

他者と議論をしたり、実践的な経験を得られる対面講座に比べると、動画形式で効果的な講座を提供するのは難しいと考えられがちですが、ポイントを押さえることでわかりやすく定着しやすい講座を動画形式でも組み立てることは可能です。

出典:The Learning Pyramid. アメリカNational Training Laboratories, Bethel, Maine

動画形式の講座を組み立てるポイント

 

■集中力を保つ講座構成を考える

対面の講座では、講師の声の調子や見た目の印象、時々入る雑談など、その場の雰囲気から長い講座でも飽きずに受講できるということがありますが、動画形式の講座ではそれらを表現することが難しく、リアルタイムで行う講座とは違った視点で構成を考える必要があります。

また、受講生は長時間受講し続けると集中力を持続できないので、ひと続きの講座に区切りを加えます。以下の3つを意識しましょう。

 

①一つの「講座」は最大30分

人間の集中力は15分周期で、最長でも90分と言われています。効果的な学習時間として、45分、60分といった調査もされていますが、同作業を行う集中力は30分が限度とされています。

 

②30分の「講座」の中を内容ごとに15分程度の「セクション」に分割

一連の動画に区切りを入れて、講座内容をまとめ、整理させるタイミングを置きます。

 

③講座の最初に「目次」と「目的」を表記

目次……セクション割と学習の進め方、

目的……各講座の理解・習得すべき内容、を把握しやすくする。

 

■反復学習しやすい仕組みを作る

動画形式の講座のメリットは「何度も繰り返し視聴できる」、「聞き逃しやわからなかった箇所に戻って視聴できる」ことです。反復学習をすることで学習の定着が期待できます。このメリットを最大限に活かす教材を作りましょう。

 

①セクションごとに重要なポイントをまとめてメリハリをつける

講師が登場してポイントを解説したり、ポイントをまとめたスライドを投影したりすることで、受講していた内容を振り返るきっかけができ、不明確な箇所に戻って再視聴することができます。

 

②講座の最後には、講座内容を踏まえたミニテストを実施する

こちらも①と同様に受講してきた内容の振り返りの機会を提供するコンテンツです。受講者に理解度をセルフチェックさせ、再視聴を促します。

 

 

例えば、下の図のような120分の講座があったとします。この講座を例にポイントを取り入れた構成にするとどうなるか、見ていきましょう。

 

最初に講師が登場した後スライドを使った講座が続きます。途中に休憩を挟んでいますが、受講生は100分以上パソコンの画面で講座を視聴し続けることになります。反復学習をするには120分改めて時間を確保する必要があります。前半にも「まとめ/課題」のパートを入れ、講座を2分割したとしても、50分間の講座はボリュームがあります。

 

「動画形式の講座を組み立てるポイント」を反映させたものが下の図です。

 

講座時間は120分なので、この形式の講座が4つ出来上がることになります。まず講座を4つに区切りそれぞれをセクション分けしていきます。受講生はセクション毎の「ポイント・ミニテスト」で学習が足りていない箇所が分かれば、10分だけ遡って動画を見返すことができます。このように、反復学習が容易にできる構成になっていることがお分かりいただけるかと思います。

 

 

今回は、動画型オンライン講座をつくる際、受講生にとって定着しやすい講座の組み立て方をご説明しました。

オンライン講座を開設したいとお考えの方にとって、少しでも参考になりましたら幸いです。

既存の講座を再構成するのは、少々骨が折れる作業かもしれません。この機会に既存の講座をアップデートするつもりで取り組んでいただけたらと思います。

 

 

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