「パパ育休」で人生が変わる!社会も変わる?
2021-10-06
担当編集者が「今、伝えたい」この本の魅力
「なぜパパは10日間の育休が取れないのか?」著:成川 献太氏、パパ育休2.0プロジェクトメンバー
今回は、書籍「なぜパパは10日間の育休が取れないのか?」について、担当編集者が、この本作りを通して感じたことをお伝えしたいと思います。
書籍 『なぜパパは10日間の育休が取れないのか?ー家族も、自分も、会社も、みんなが幸せになる 育休の取り方・過ごし方・戻り方ー』著:成川 献太氏、パパ育休2.0プロジェクトメンバー
そもそも、なぜ男性が育休を取るの?
「パパ育休」「男性の育休」などの言葉、最近ではよく耳にするようになってきましたよね。みなさんにとって、これらの言葉はどれくらい身近に感じられるでしょうか。
10年ほど前、私の友人に1年間のパパ育休を取得した人がいました。育休を取るという話を聞いた時、とても驚いたことを覚えています。
「なんで男性が育休を取るの?」という疑問がまず浮かんできました。女性ではなく男性が育休を取ることが、単純に不思議だったのです。そして他人事ながら、「仕事は大丈夫なの?キャリアに影響はないの?」と心配になりました。
この本はまさに当時の私のように、「そもそもなぜ男性が育休を取るの?」と感じている方にぜひ読んでいただきたい1冊です。
私はこの本を通して、「パパ育休」は全ての人の人生に関わるキーワードだと考えるようになりました。
なぜなら、パパ育休を自由に取得できる社会は、全ての人にとって優しく生きやすい社会になるような気がしているからです。男性も女性も、子どもがいる人もいない人も、上司も部下も、既婚者も独身者も、です。
この本には、パパ育休を取得した15名の方々の、リアルな体験記が集められています。これらのストーリーの中には、パパ、ママ、そしてみなさんにとって、これからの生き方を考えるヒントがつまっています。
リアルなストーリーならではの温度感
著者の成川献太さんは、ご自身も1年間の育休を取得されたパパ育休経験者です。その経験が「最高だった!」ことから、パパ育休のことをもっと知ってもらいたいという思いからこの本を企画されました。
そんな成川さんご自身も含め、15名の方々のリアルなストーリーが1冊に集められています。
■リアルすぎるエピソードも!
「育児は嫁がするものでしょ」「仕事だから仕方ないだろ」と悪気もなく、毎日残業、出張続き。そんな働きづめの毎日でした。当時は夫婦喧嘩も多く、よくぶつかっていました。そのため会社が休みなのに家にいないことも多かったです。
「俺は仕事で疲れている」「休みだけど仕事がたまってるから喫茶店に行ってくる」「休みだからバスケしてくるわー」「週末は飲んできます」
今考えるとゾッとします。なぜなら、子どもができても他人事だったからです。
全ての女性を敵に回しかねない、大胆な告白です……。そんなパパが、どのようにして「育休を取ろう」という考えに至ったのでしょう。その変遷がストーリーに綴られています。
■管理職、自営業、女性パイロット。さまざまな背景のストーリー
育休取得時の状況は、人によってさまざまですよね。一般社員だけでなく、自営業の方や、部下を多く抱える幹部の方など、その背景によって課題や悩みは変わってきます。
「幹部が1年も育休を取得するなんて前代未聞!」
2年前、社内初の男性育休を取りたいと言ったときの社長の反応はこんな感じでした。
(中略)社内で男性育休の前例はありませんでした。それに加えて慢性的な人手不足。さらには流動的でない役職。
だからこそ、次が続きやすいように私がファーストペンギンになろうと思いました。
責任のある役職であるからこそ、”ファーストペンギン”を目指したパパ。会社を説得し、部下に納得してもらい、最終的には1年間の育休を取得されました。どのような思いで育休をつかみ取ったのかが、ストーリーに綴られています。
■「何で育休を取ったの?」と妻。パパ育休の目的は自己研鑽?
育休を取得するまでもなかなか大変ですが、実際には取得してからがスタートですよね。しかし、「せっかくだから、この時間を自分磨きに活用しよう!」と考えるパパも少なくないようです。育児のために仕事を休んだはずだったのに……?
妻に相談することなく自分の予定を入れ、毎日、気が狂ったように自己研鑽を重ねていました。育児はその隙間時間に手伝うという感覚で、育児休業の目的をはき違えていたような気がします。
そんな私に耐えかねて妻が一言「何で育休を取ったの?」
妻からの一言にはっとしたパパ。この後夫婦で話し合いを重ね、お互いの思いを伝え合っていきます。一体どんな結論にたどりついたのでしょう。育休を通して得た気づきが綴られています。(奥様からの言葉がとても素敵でした!)
この本で語られているのは特別なエピソードではなく、みなさんのまわりで起きているような、日常のストーリーです。これらのストーリーには、パパ、ママだけでなく、その周りのたくさんの人々が関わっています。
だからこそ、共感できる場面が多く登場します。自分事として受け止めていただけることが、この本の魅力だと感じています。
15名のパパたちの奮闘記をお楽しみいただきつつ、これからの働き方や生き方を考える時間としていただけたら、とても嬉しいです。